8年前に買った金沢将棋2 〜レベル300〜のAndroid版をようやくクリアしました。
思えば将棋を指すようになってから今までの期間の大半を金沢将棋2と過ごしてきたことになります。*1
とてもいいゲームだったのでレビューしていきます。
ちなみに筆者は将棋が弱い(アマ初段程度)ため、この記事にある持論は当てになりません。
ただ、購入時は2級程度で、プレイ開始から2年で初段くらいにはなったので、一応上達効果はあるのではないかと思います。
タイトル:金沢将棋2 〜レベル300〜 / 金沢将棋 〜レベル300〜
プラットフォーム:Android/iOS/Windows/Switch/PS4
備考:スマホ用よりPC用のほうが多機能
筆者はPS4版のみ未所持
- どんな人におすすめ?
- 今の時代にコンピュータと対局する意義
- 他のゲームと比べた場合のメリット 〜レベル300の意味とは〜
- その他入門向け機能
- 欠点
- 8年かけた割に筆者が強くなっていない理由
- おまけの棋譜
どんな人におすすめ?
将棋を楽しみながらそれなりに上達したい人(エンジョイ勢)
とにかく実戦を指すのが好きな人
今の時代にコンピュータと対局する意義
このソフトは、講座や棋譜解析などの指導機能よりも、とにかくコンピュータと対局することに特化したゲームです。
しかし、ネット対局が普及した今、コンピュータと対局する意義はなんでしょうか。
それは、いくら考えても迷惑をかけないこと、気軽に中断できることと、終局後に好き放題やり直せることの3点だと筆者は考えます。*2
通常、まとまった時間がとれない場合に将棋を指すには、持ち時間を減らす方法が考えられます。
将棋は早指しなら時間がかからず、最近では早指し中心の将棋ウォーズ、将棋クエストなどのサイトも増えています。
一方、早指しばかりでは読むクセがつかずに上達しないという説もあります。
そして、何よりも長時間納得行くまで考えて指すのは、早指しと違った楽しさがあります。
そういう意味では、自分の都合で中断、再開が手軽にでき、一局に何日かけても問題のないコンピュータは練習パートナーとして非常に都合がいい存在と言えるでしょう。
また、対局後、棋譜を見返して「ここでこうしてたらどうなったんだろう」という疑問に、途中からの対局再開という形でいつまでも付き合ってくれます。
他のゲームと比べた場合のメリット 〜レベル300の意味とは〜
さて、対局するだけなら無料ゲームや他のゲームでもいいのでは?という意見はあるかと思います。
無料アプリでもぴよ将棋など出来のいいアプリはたくさんあります。
しかし、金沢将棋2には金沢将棋2にしかない強みがあります。
それがサブタイトルにもなっている「レベル300」です。
これは単に強さが300段階に細分化されているだけではなく、レベルごとに得意戦法が決まっているのです。
このシステムだと一般に将棋ゲームに採用されているレーティングシステムと異なり、苦手戦法があっても他で勝てばいいということはなく、各レベルの得意戦法を攻略しなければ絶対に先には進めません。
また、300レベルすべてが独自の戦法を指すわけではなく、10レベルから20レベルくらいの間隔で同じ得意戦法で一回り強くなった相手が出てきます。
これは、自然にプレイしているだけで、
①戦法の攻略方法の学習
②定期的な復習
ができる非常に優れたゲームデザインだと思います。
また、ゲームを進めていくと新しいデザインの盤と駒を入手できるのも楽しいです。
個人的には動物のデザインの駒がお気に入りです。
その他入門向け機能
駒の移動方向が書かれた駒やチェス風のアルファベット駒などもあります。
英語に対応したプラットフォームでは英語でのルール説明もあり、海外の方への普及にもおすすめです。
欠点
レベルごとの棋力設定
レベル1でも勝てないというレビューが見受けられます。
実際レベル1はまったくの初心者には強いのでは?という感じがあります。
さすがに300段階あればレベル10くらいまでは初心者の方も勝てると思ってもおかしくはないですし、もうちょっと手加減してくれても……。という感じもあります。
バグ
反則である連続王手の千日手判定がおかしいです。
プレイヤー側はちゃんと反則を取られますが、コンピュータ側は反則が取られません。釈然としませんね。
このあたりの不具合は96年の最強羽生将棋からずっとこのままだったのですが、最新作の「みんなの将棋」で解消されていることを確認しています。
8年かけた割に筆者が強くなっていない理由
途中からメダル集めのために駒落ちばっかりやっていたからです。
二枚落ちだと各レベルの指し手の変化が平手より小さく、クリアを目標として変な評価ミスを誘発する手順を研究しても別に上達には繋がりませんでした。
盤や駒をコンプリートする場合にも別に二枚落ちを全部制覇する必要はありませんし、正面で実力でねじ伏せればこれも上達につながるかもしれません。
正直私は将棋指しというよりは将棋ゲームのRTA走者なので、別に棋力を上げる必要はなく、むしろコンピュータの穴を見つけだすスキルが重要でした。
金沢将棋2の上位レベルについては棋力がCPU依存であり、機種変ごとに棋力が上昇しており、私の手元の金沢将棋2も私が最初に攻略した頃より一回り強くなっています。
この機会に改めて平手でやりなおして金沢将棋2が棋力向上の役に立つことを証明しようと思います。
ぜひみなさんも金沢将棋2をプレイしてみてください。
おまけの棋譜
先手:プレイヤー
後手:金沢将棋2(Android) レベル300
▲2六歩 △3四歩 ▲7六歩 △8四歩 ▲7八金 △3二金
▲2五歩 △8八角成 ▲同 銀 △2二銀 ▲7七銀 △6二銀
▲4八銀 △3三銀 ▲1六歩 △6四歩 ▲4六歩 △6三銀
▲3六歩 △7四歩 ▲4七銀 △7三桂 ▲3七桂 △5四銀
▲6八玉 △6二飛 ▲4八金 △4四歩 ▲2九飛 △6五歩
▲9六歩 △8五歩 ▲5六銀 △4一玉 ▲2四歩 △同 銀
▲4五歩 △5二金 ▲4四歩 △4七歩 ▲同 銀 △3三銀
▲3五歩 △同 歩 ▲3四歩 △同 銀 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △2三銀 ▲2九飛 △3一玉 ▲2四歩 △3四銀
▲2三角 △2八歩 ▲同 飛 △1二角 ▲同角成 △同 香
▲2三角 △3九角 ▲3四角成 △2八角成 ▲2三歩成 △3九飛
▲4五桂 △4二金左 ▲3三歩 △4一玉 ▲3二歩成 △同 金
▲同 と △同 玉 ▲3三銀 △4一玉 ▲5三桂不成 △同 金
▲6一馬 △3三桂 ▲6二馬 △5九銀 ▲7九玉 △4八銀成
▲8八玉 △5二金 ▲2二飛 △3二金 ▲5二馬 △同 玉
▲3二飛成 △4二歩 ▲3三龍 △4一桂 ▲6二金 △同 玉
▲4二龍 △5二歩 ▲4三歩成 △5一金 ▲5三金 △同 桂
▲同 と △7二玉 ▲5一龍 △7一金 ▲8四桂 △8三玉
▲7一龍 △8九飛成 ▲同 玉 △9八角 ▲同 香 △7五歩
▲7二龍 △7四玉 ▲6三角 △6四玉 ▲5四と
まで119手で先手の勝ち
ちなみにAndroid版はAmazonアプリストアなどでも販売されておりARM環境のWaydroidでも動くみたいです。KindleユーザーやLinuxスマートフォンユーザーも安心ですね(?)