今話題沸騰中の映画版ソニック。
当初発表された主人公ソニックのデザインがあまりに不評だったため、イメージ画像や予告編の公表後にもかかわらずデザインが変更されたことでも話題を読んだ本作。
変更前のデザインはそもそもどうしてああなったのでしょうか?
変更前のデザインの意図はエグゼクティブ・プロデューサーのTim Miller氏によれば、
現実世界だったらどうなるか、本物の動物だったらどうなるかを本作に取り入れるうえで、最初のステップでした
とのことです。
しかし、本当にこの方針自体が間違いだったのでしょうか?
そもそも変更前のソニックのデザインも、リアルにしながらも原作にある程度寄せようとしてどっちつかずになっている印象を受けます。
また、多くの人気映像作品に登場する空想上の動物は、実際に現実の動物をよく観察して作られているものです。
となると、実は映画版ソニックの初期デザインの失敗は、「方針が間違っていた」のではなく、「決めた方向に振り切れなかった」のが原因だったのではないでしょうか。
というわけで今回は、あえて「ソニックが本物の動物だったらどうなるか」という方向でいくとどういうデザインになるのかを試していきたいと思います。
※筆者は専門家でもなんでもなくそのへんにいるただの生物が好きな人なのであんまり内容を鵜呑みにはしないでね!
※ツッコミは大歓迎です。
ソニックってそもそもなんぞや?
公式サイトの説明によると、
ソニック・ザ・ヘッジホッグは、その名の通り超音速のハリネズミであり、何者にもとらわれず、ひとつのところにじっとしていられない、クールでとんがったキャラクターです。
とのことです。
現実世界だと動物が地球上で道具に頼らず超音速を出すのは多分無理なので、今回は「めちゃめちゃ速い」くらいで考えます。
実写ソニックの足は足の速い動物のそれではない
実写ソニック(旧デザイン)は足の太さも話題になりました。
あれは人間のスプリンターの足を意識したものと思われますが、一つ大きな問題があります。
そもそも人間の足は速く走るのに適していないのです。
人類最速でおなじみウサインボルトでもトップスピードではダチョウや馬やチーターには勝てませんよね。
人間はもともと樹上性の猿から進化していること、速く走ることより長距離移動を選んだことなどからあまり速く走るのに適した足をしていないといわれています。
では、速く走るのに適した足とはどのようなものでしょうか。
もちろん一つの要素だけで「これさえあれば速い!」なんて言うことはできるものはありません。
しかし、足の速い脊椎動物に共通する特徴があります。
膝から下、特に中足骨(足首から指までの間にある骨)が長いのです。
比較してみれば一目瞭然。
ウマのような四足歩行動物だけじゃなく、二足歩行で足が速いダチョウも同じような特徴があります。
となれば、ソニックの足もこのような特徴を持っているはずです。
頭の形はどんなの?
地上最速の動物といえばチーターですが、ソニックは多分もっと速いしもっと長い時間走ることができるはずです。
そうなると、チーターよりもさらに空気抵抗に対してシビアになるはずです。
また、ソニックは知的生命体であるので、同じ二足歩行動物のダチョウよりも大きな脳を持っており、頭のサイズ、重量も大きかったものと見られます。
そういうわけで、空気よりも抵抗が大きい水の中で高速に動く動物の頭部が参考になるはずです。
今回ソニックをリアルにするにあたっては、高速かつ脳容量の大きいシャチの頭部を参考にしました。
「ハリネズミとシャチは全然違う動物だけど大丈夫か」という疑問もあるかと思います。
収斂進化というものをご存知でしょうか。
全然別系統の生物が、同じ課題に適応するときに同じような形質を身につけることをいいます。
例えばハリネズミとハリモグラは分類学上全く別の動物なのに、見た目はそっくりですよね。
絶滅動物の復元でも、現生の分類学上近い動物の他に、同じような環境に棲息する動物を参考にするのはよくあることなのです。
ということで、この場合シャチを参考にするのは問題がないのです。
また、速く走る場合、空気中の小さなゴミが目に入ってダメージになる可能性があります。
それを防ぐために、おそらくダチョウのように長いまつげを持っているのではないでしょうか。
この時点ですでにソニックからもハリネズミからかけ離れている気がしますが、気にせず次に行ってみましょう。
頭の"ハリ"はなんのため?
ソニックはハリネズミで、頭からやたらめったらハリが生えているのが特徴です。
しかし、彼はこのハリを逆立てて自衛しているようには見えません。
となると、ハリはなんのためにあるのでしょうか。
完全に思いつきですが、頭部、首、背中にできる凹凸を覆い隠して、体の輪郭を流線型に保ち、空気抵抗を減らすためではないかと思いました。
流体力学に詳しい人、このアプローチが有効なのか教えてください。(丸投げ)
内臓は後ろの方に
二足歩行で速く走る動物は現代にはあまりいませんが、かつてはたくさん存在しました。
恐竜類です。
トリビアの泉で「ティラノサウルスは走れない」という説が有名になりましたが、あれはあくまでティラノサウルスの話です。
似たような形でもっと小型の恐竜たちは、ダチョウのように、種によってはダチョウよりもすばやく走れたと考えられています。
彼らと現生の二足歩行動物のちがいはなんでしょうか。
それは、彼らはバランサーとして長い尻尾を持っていたことです。
ソニックに長い尻尾はないので、どうやって重心をやや後ろ気味にするかを考えなくてはなりません。
そうなると、おそらくソニックの内臓は後ろ寄りで、お腹がぽっこりとしているのではないでしょうか。
実際ソニックは原作でも丸っこいお腹をしていますね。
奇跡的にここで原作に近づいたかもしれません。
大公開!これがリアルを突き詰めたソニックだ!
他にもいろいろ考えまくったので全部説明したいところではありますが、皆さん早く現物がみたいですよね?
お待たせいたしました!これがリアルを突き詰めたソニックです!
……はい。
映画の変更前デザインの5000兆倍の非難を浴びそうなデザインですね。
もう私にはこれをソニックと言い張る勇気はありません。
一体どこで間違えたんでしょうか……。
まとめ
そもそも過度なリアル路線が間違い!!!!!!
※私の実力不足の可能性もあるので誰か頑張って