任天堂著作物の利用ガイドラインは日本語版と英語版で違うという話

RTA等のゲーム配信コミュニティで「海外の大手配信者や大規模イベントでやってるから、俺らもやって大丈夫でしょ」という意見をたまに耳にします。

 

しかし、よく見ると日本語と英語のガイドラインは微妙に違います。

日本語版:ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン|任天堂

英語版:Nintendo Game Content Guidelines for Online Video & Image Sharing Platforms | Nintendo

 

特に改造周りの記述は大きく異なります。

なお、ガイドラインはこの記事の執筆後に変更されている可能性もあります。内容を確認する際は必ず公式のガイドラインを参照してください。

 

要点

とにかく一旦ガイドラインに目を通そう。

特に改造に関する記述は日本語のほうが厳密に記載されています。日本国内でチートやハックROMを使った動画を投稿したり生放送をしたりする際は特に注意してください。

グレーゾーンに踏み込むな的な意見もあるかもしれませんが、動画削除等の措置が行われている内容については既にグレーではありません。

また、著作権法も国によって異なるので、そのあたりも注意が必要。 

 

具体的な差異

あくまでこの記事は「違いがあるよ」ということを示すものです。

内容を確認する際は、必ず公式のガイドラインを参照してください。

収益化可能なプラットフォーム(Q.4)

日本語版にのみMirrativの記述があります。

 

動画の販売(Q.5)

大筋は同じだと思いますが、英語版では動画のみならず生放送についても明記されています。 

 

法人利用(Q.9)

日本語版では別途契約が締結された法人についての記述が追加されています。

 

投稿の削除(Q10)

内容は同じですが、日本語版と英語版で質問文が若干異なります。(「どういう場合に削除されるのか」「これに違反したら削除されるのか」)

 

違法または不適切な投稿(Q11)

一般ユーザーが利用するにあたって最大の違いはおそらくここです。

英語版では法令に違反すること/任天堂知的財産権を侵害すること/海賊版の3点が挙げられています。

一方、日本語版では上記に加え、チートやクラッキングなど様々な項目を明示的に禁止しています。

 

実際の運用はどうなのか?

日本でも海外でも改造動画が削除される例はあるので、運用がどうなっているのかはいまいちわかりません。単に表現が違うだけで実態は同じという可能性はあります。

ただし、現行ガイドラインになる前、日本語コンテンツでのみTAS動画のBANが行われていたことは確かです*1英語圏と日本語圏での対応に差があることはあるようです。

 

また、バイデン氏があつ森を政治利用したことは有名ですが、日本国内で同様の試みをした石破氏は規約違反と報じられました。

これも、当時の任天堂の規約が国内外で異なったことに起因するようです。

なお、現在では全世界的に任天堂ゲームタイトルの政治利用は禁止されています。

 

権利者にとって一切の動画投稿・配信を許可しないこともできる中で、ガイドライン制定を行ってくださってる事はありがたいことです。

しつこいようですが目を通してくださいね。

 

おまけ:日本と米国の著作権法の違い

私は法律の専門家ではないので軽く触れる程度にとどめます。

米国にはフェアユースという概念が存在し、著作物の利用が公正な利用であれば著作権の侵害に当たらないというものです。

その他、日本には同一性保持権という概念が存在し、改造については法的にもやや厳しいものがあります。

*1:従来のガイドラインではTASは名指しで禁止されていました。