子供の頃に使っていたデジタルカメラ、Powershot A480がついに壊れた。
安物ではあったが、長いこと使っていたカメラで愛着があるカメラだ。
光学系の故障ではなく操作系の故障だったのでなんとかできるかと思って分解してみたが、どうやら私の手に負えるレベルではないようだった。
この安物のカメラに出会って、私は写真を撮ることの楽しさを知った。
昆虫や小さな植物を撮影してみると、あまりにも繊細に、小さな世界を写し取ることができた。
後で気づいたことだが、安物にしては非常にキレのある絵を出してくれるカメラだったようだ。
操作系も良く出来ており、安物ならではのチープさはあるものの、誤操作しにくいように細部まで考えられたボタンの作りだった。
私は今ソフトウェア開発者だが、この機種のUIについて深く観察した経験も私の宝だ。
しばらくして。
ミラーレス一眼やより高画質なコンデジも購入したが、しばらくこのカメラも持ち出していた。
また、更にこのカメラの出番が増えることになる。
私はRTA走者としてゲームのやりこみ動画を撮っている。
そのとき、手元を撮影するのにぴったりだったのだ。
このカメラは乾電池駆動である。長時間の動画撮影を行う際、Eneloopのような充電池を複数用意して順番に使うことで、充電の待ち時間を節約することができる。
替えの電池が安く手に入ることは大きなメリットだった。
また、この機種のCCDセンサーは、この時期から徐々に主流になっていたCMOSセンサーと比べて、歪みが発生しづらい。記録目的の動画にはぴったりだった。
客観的に見ればただの安物のカメラかもしれない。
しかし、このカメラのおかげで私の人生は間違いなく豊かになった。
今まで本当にありがとう。